その草、なんの草

草ァ!!!!! これから迷走するよ

小道具

鍋とカセットコンロ

お茶セット

鳴子:市役所勤務 幸せ

彼氏:市役所勤務 不器用で何のとりえもないが善人 なるこの彼氏、同棲中 

親友:なるこの中学校時代の親友、当時から変わってない 文章を書く仕事をしている

夢の男:夢の中で見かける理想の男 現実でも見かける 夢に出るとき羽でも生えてそう

斉藤:めちゃくそ腹立つ

彼氏が鍋持って入ってくる

彼氏:おまたせ~

鳴子:おー!いいにおい

彼氏:(鍋を置く) じゃあ、改めて。鳴子。誕生日おめでとう!

鳴子:ありがと

彼氏:今年で...30?

鳴子、彼氏をどつく

彼氏:24。おめでとう、アラサー手前

鳴子:無礼者

彼氏:ごめんって

鳴子:シチュー?

彼氏:うん。ケーキはあとで出すね、まだ冷やしとこ

鳴子:うん

彼氏:で、これプレゼント

鳴子:...口紅?

彼氏:うん、似合いそうだと思って...ちょっと色派手かなって思ったけど

鳴子:ありがとう、うれしい

彼氏:ね、つけてみてよ

鳴子:今?ご飯じゃん

彼氏:落とせばいいじゃん。それ買った時から楽しみでたまらなくて

鳴子:えー。まあいいけど

鳴子、つける。

あからさまに似合わない

彼氏:うわー、やっぱりいいね!似合う。

鳴子:......うん、ありがとう!...とっていい?

彼氏:いいよ。満足した

鳴子、口紅を落とす

彼氏:じゃあ食べよっか

鳴子:うん

スマホ鳴り、鳴子対応する

鳴子:伴です...はい...は?明日?...この時間にですか...?いえ。了解です、はい、はい

彼氏:また斎藤さん?

鳴子:うん...明日取材の人が来るから対応しろって。ほら、腎臓の人、結構前に前映画化してた

彼氏:あー。俺の腎臓が食えねぇのか?だっけ、有名人じゃん

鳴子:うん。てかそんな大物ならもっと上が対応すればいいのに

彼氏:まあねぇ

鳴子:は~~明日のおひるごはん消えそ~~

彼氏:はははどんまい。そろそろ持ってこようか、ケーキ

鳴子:あ、お願い

彼氏、食器持ってはけ、手を後ろに隠して帰ってくる

彼氏:鳴子

鳴子:んー?

彼氏:あ...その、これ...

指輪の箱ぱかぁ

鳴子:え?

場転

鳴子、一人で座っている。そこに親友入ってくる

親友:すみませーんお待たせしてー

鳴子:...マミカ?

親友:え?

鳴子:鳴子だよ、ルコ

親友:...!えぇ~ルコ?全然わかんなかった~!綺麗になったね!

鳴子:マミカは本当に相変わらずだね。色々と

親友:ん?ああ。えへへ、いやー、遅れちゃだめだっては思うんだけど

鳴子:いいよ、マミカなら納得だし。まだ小説書いてるんだ

親友:モチのロン!むしろ鳴子は書いてないの?

鳴子:さすがにね

親友:えー鳴子の小説面白かったのに

鳴子:やめてよー、あれ黒歴史なんだから

親友:えー?(不満げ)てか、確か鳴子文学部行ってなかった?

鳴子:そうだけど

親友:小説書かずになにしてたのさー

鳴子:文学部でも日本史専攻だったし...そもそも文学部は小説家養成コースじゃないから

親友:えー?そうなのー?

鳴子:そんなことより、取材じゃないの?

親友:あ、そうだった...けど今日はおしゃべりしよ?あ、とりあえずLINE交換しよ?

鳴子:はいはい

親友:あ、それとそれと。これ手土産的な奴でーす

鳴子:...なにこれ

親友:紅茶(ティーバックをビニール袋に突っ込んだだけのもの)

鳴子:はぁ?

親友:おいしいよ?私高校の時からずっと飲んでるもん、イチオシ

鳴子:にしてもさぁ...

親友:いいから飲んでみてね、ね。すっごくすっきりするから

鳴子:...はいはい

親友:...なんか、ルコ変わったね

鳴子:そりゃ変わるよ。最後に会ってから何年経ったと思ってるの?

親友:まあ、それはそうなんだけど。普通の人みたい

鳴子:なにそれ

親友:今だって、「普通の人みたいって何よ、まるで私がおかしいかのように言うのやめてくれますか、名誉棄損されました次に会うのは法廷だッ」ってくらいはかみついてきてたじゃん

鳴子:盛りすぎ盛りすぎ。まあ、それなりにいろいろあったし

親友:そうなの?

彼氏:ただいまー

鳴子:おかえり、遅かったね

彼氏:うん...疲れたー

鳴子:お疲れ様。ん(両腕を広げる)

彼氏:ん

彼氏が甘える

LINEの着信音

鳴子:お

彼氏:ん?

鳴子:今日取材くるって言ってたでしょ、あれ、昔の友達で

彼氏:その子から?

鳴子:うん。その子全然変わってなくて、中学生の頃に戻ったみたいだった

彼氏:へー...ねえ、鳴子、昨日の話なんだけど

鳴子:あ!そん時にお茶もらったから入れてくるね

彼氏:...うん

鳴子、逃げる

彼氏、その背中を見送り指輪の箱をぱこぱこ開け閉めしてため息をつく。

彼氏:焦りすぎたかなぁ...

鳴子カップ持ってきて、彼氏は箱を慌てて隠す

鳴子:めちゃくちゃいい匂い~

彼氏:...そう?(くさそう)

鳴子:紅茶苦手だったっけ?

彼氏:いや、そういうわけじゃないけど

鳴子:馴染みはないけどお茶らしいいい香りだと思うよ

彼氏:んーごめんちょっと飲めないかも

鳴子:じゃあ私が全部もらっちゃうね

彼氏:せっかく入れてくれたのにごめん

鳴子:お茶菓子もらったし、いいよ

彼氏:あっ俺のようかん!!

鳴子:いっただきまーす

彼氏:わーばか、高かったんだぞ

鳴子:おいしー!

彼氏:許せねぇ...

鳴子:んふふふ

指輪の箱に気が付いて微妙な沈黙

鳴子:...明日もあるし、そろそろ寝ようか

彼氏:あ、いや、風呂入るから先寝といて

鳴子:うん

露骨に夢の世界な照明に転換、MEもそんな感じ

鳴子in

夢見心地な歩調

夢の男in

目と目が合う

鳴子:...天使?

ふわふわした歩調で踊るようなおにごっこ

最後男がつかまりそうになったところで指パッチンで照明切り替え

同時にMEがカットアウトし、速やかにはける

親友が一人で待ってる。鳴子in

親友:遅かったじゃあないか

鳴子:急に呼び出されて行けるわけないでしょ。むしろ来たことを褒めなさい

親友:えへへー暇だったから

鳴子:作家ってそんなに暇なの?

親友:忙しい時は忙しいよ?仕事ためちゃったときとか

鳴子:あー

親友:ねえねえ、この前のお茶飲んだ?

鳴子:うん

親友:よく寝れたでしょ!

鳴子:まぁね...

親友:気に入ってくれてよかった。ルコが好きだったら今度は缶であげようと思って

鳴子:うん

親友:なんか、元気ない?

鳴子:あ、いや、大丈夫なんだけど...ちょっとぼんやりしてた

親友:なんかあったの?

鳴子:なんか、変な夢見て

親友:夢?

鳴子:なんか、知らない人が出てきたというか...

親友:へー。どんな?

鳴子:...聞いても笑わないでね?

親友:笑わないよ~(笑)

鳴子:...天使だった

親友:...えっと、それは、比喩?天使様そのもの?

鳴子:そのもの、だと思う

親友:お告げされた?

鳴子:全然

親友:どんな感じの...見た目だった?

鳴子:うーん、顔はよく覚えてないけど、髪がふわふわしてて、背が高くて、なんか立ち居振る舞いが綺麗?あと、羽が...

親友:あー、好きそう

鳴子:好きそうって何よ

親友:だって鳴子の小説にいっぱい出てくるじゃん、そういうふわふわ男子

鳴子:あー...そういえばそうだった気がする

親友:ぶっちゃけタイプでしょ?惚れちゃった?

鳴子:夢の中の人に惚れないよ、さすがに。第一私彼氏いるし

親友:それもそっか~

お茶を飲む的な沈黙

親友:えっ、か、か、か、彼氏???!!!いたの???

鳴子:そんな驚くことじゃないでしょ、この歳で

親友:驚くことだよ!

鳴子:ひっど

親友:ね、てか、彼氏どんな人?

鳴子:うーん、職場の同期?いい人だよ

親友:見せて見せて

鳴子:えーっとね

見せる

親友:え...普通

鳴子:なにそれ

親友:鼻筋通った色素の薄いゆるふわ儚げ美少年以外興味ないと思ってた

鳴子:そんな人無理に決まってるでしょいろんな意味で

親友:えーでもー...。ってか、夢の人のほうが聞く感じかっこいいよ

鳴子:そりゃそうだよ、夢なんだから

親友:なら...

鳴子:ねえ、マミカは普段なにしてるの?

親友:私?あー、大体家にいるかなぁ。あと喫茶店行ったり...何してるかっていわれると...

鳴子:へ、へぇじゃあもう完全に専業作家なんだ

親友:うん、まあ「腎臓」が滅茶苦茶売れたから

鳴子:そんなに印税ってすごいんだね。よかったね、売れるようになって

親友:うーん、そう、だね?

鳴子:なんで自分のことなのにそんなふわふわしてるの...

親友:だって私

電話が鳴る

鳴子:ちょっとごめん。はい、伴です。あ、斎藤さんですか。はいぃ?あ、はい了解しました(切る)...はぁ

親友:すっごい溜息

鳴子:ごめん、呼び出された

親友:えー

鳴子:ごめん

親友:あ、ねえ、さっき斎藤さんって言ってなかった?私その人知ってるかも

鳴子:そうなの?

夢の人通過

鳴子:...!

親友:なんか元気がいい人だよね、それで...鳴子?

鳴子思わず追いかける

鳴子がPCばこばこしている

彼氏:また斎藤さん?

鳴子:うん。電話で泣きつかれて

彼氏:そこまで面倒見なくていいんじゃないの?休みの日まで

鳴子:もう引き受けちゃったし...それにこれだって、持ち帰らないといけなくなったのは私が寄り道したせいだし

彼氏:寄り道?

鳴子:ちょっとね

鳴子、お茶を飲もうとして空なことに気が付き、入れ直そうとするがめんどくさくなっておちゃっぱを食べだす

彼氏:ちょ、鳴子

無視

見かねた彼氏がお茶を入れてくるが鳴子はお茶っぱしか食べない。じわじわと鳴子の手元にカップを寄せるがやっぱり気が付いてもらえず悲しそう。

鳴子、作業が終わると入れられたお茶に気が付く

鳴子:あ...ごめん

彼氏:ねえ、本当に大丈夫

鳴子:うん、大丈夫。終わったよ

彼氏:そうじゃなくって...

鳴子:何?

彼氏:...

鳴子、お茶を一気飲みする

鳴子:ありがとう、美味しかった。おやすみ

彼氏:いくらなんでも早くない?

鳴子:仮眠。疲れたし夢見たいし

彼氏:うん...

鳴子、どこかで寝だし、手持無沙汰な彼氏はスマホをいじりだす

彼氏:ねえ、ねえ、鳴子

鳴子:...あ?

彼氏:「腎臓」の人って、友達なんだよね

鳴子:そうだけど

彼氏:そのひと、逮捕されてる

鳴子:...は?

彼氏:薬物乱用だって、ハーブ

鳴子:ええ?嘘?あった時も全然普通だったんだけど...

彼氏:そっかぁ...まあ、なんか誤解があったのかもね

鳴子:かもね...ごめん、寝て良い?すごく、ねむい

彼氏:あ、ごめん

夢の中に転換

夢の男があらわれ、鳴子は頑張って捕まえようとする

なんとか捕まえるが上手くいなされ椅子に座らせられる

鳴子:ちょっと、なに

照明転換

斉藤:あのぉ...鳴子さん?

鳴子:...さいとう、さん?

斉藤:ぼんやりしてましたよぉ、寝不足ですかぁ?

鳴子:いえ...すみません、何か御用ですか?

斉藤:あ、いえ、別に用とかじゃなくてぇ、ちょっと心配だったので。私でよければお話聞きますよ?

鳴子:...昔からの友人がひとり、行方不明で

斉藤:えー、たいへん(ゆるふわ)

鳴子:大変ですよね、そろそろ3ヶ月音信不通なんですよ

斉藤:えー、たいへん(ゆるふわ)

鳴子:...実は実家が火事で

斉藤:えー、たいへん(ゆるふわ)

鳴子:実は私天使を見たんですよ

斉藤:え、本気で言ってます?頭大丈夫ですか?(ガチトーン)

鳴子:...(ため息)斉藤さん、仕事しないんですか?

斉藤:定時なんでもう帰りますよ?

鳴子:...これ、やってくれてもいいんですよ、元々斉藤さんの...

斉藤:いやぁ、働き方改革?というか、頑張りすぎは良くないなぁって思ってるんで。じゃっ!鳴子さんも頑張りすぎちゃ駄目ですよ~

鳴子:...そうですね

斉藤帰る

鳴子、椅子からゆっくり崩れ落ちるように床にうずくまる

彼氏:鳴子、鳴子

鳴子:...ごめん、寝てた?

彼氏:うん。風邪引くよ

鳴子:ごめん...

彼氏:最近ずっと眠そうだね

鳴子:うん

彼氏:...もう寝ちゃう?

鳴子:うん

彼氏:おやすみ

鳴子、毛布を被せられ寝る

彼氏は鳴子に背中を向けて座る

彼氏:ねえ、最近ずっとおかしいよね。眠そうっていうか...ずっとぼんやりしてる。疲れたまってるならちょっとくらい休みとってもいいし、いい加減斉藤さんの面倒見るのもやめて...あとさ、言いにくいんだけど...いつものお茶、やっぱ変じゃない?あれ飲み始めてから鳴子...鳴子?

鳴子、いない

夢の世界

また夢の男と追いかけっこをする

また椅子に座らせられそうになり、全力で抵抗する

親友:鳴子

鳴子:マミカ、助けて

親友:鳴子

鳴子:ねえ、これ嫌なの

親友:鳴子

鳴子:マミカ

親友:...こっち

鳴子、迷うが結局親友の手を取り退場

斎藤、お仕事道具っぽいものを大量に持ってin

斎藤:お仕事おっしごとたいへんだ~おやすみ取れない大変だ~(間) はあ、飽きた...

斎藤、仕事に飽きる

わいわいした環境音が聞こえる

斎藤:けちんぼ...みんな薄情...私もランチ行きたかった...けち............鳴子さぁん............ぐすん......おなかへった......鳴子さんお菓子とか隠し持ってないかな

斎藤、鳴子の机をあさり無事お菓子を見つける。とても喜び躊躇いなく開封する

斎藤:鳴子さん大好き~~~!あ、ナプキンとストッキングまで常備してる~えら~い。困ったとき借りよ~♡...ん?これ―

彼氏:あの

斎藤:あっはい!!すぐにやります!

彼氏:あっそういうわけでは...お昼休みですよね

斎藤:それはそうなんですけど...最近ちょっと仕事が大変で...えへへ

彼氏:そうなんですか?最近何かありましたっけ

斎藤:何かあったというか、いままで頼りにしていた先輩が突然いなくなってしまって

彼氏:いなくなった?

斎藤:なる...じゃなくて、伴さんっていうんですけど。ちょっと前から突然来なくなって、連絡もつかないんですよねぇ

彼氏:それはそれは

斎藤:何度も連絡したんですけど...(ため息)おかげで私ばっか係長に怒られるし。ひどいと思いません?

彼氏:...

斎藤:あ、すみません。そういえば何か用事ですか?

彼氏:いえいえ、ちょっと気になっただけです

斎藤:気になるなら手伝ってくれてもいいんですよ?

彼氏:え、でも部署ちが

斎藤:これとかいけそうじゃないですか??

彼氏、微笑む

彼氏:温泉、いいですよね

斎藤:おんせん?

彼氏:その付箋

斎藤:ああ、これ、鳴子さん...じゃなかった、伴さんの机から出てきて

彼氏:...へえ

斎藤:温泉、行きたいんですか?

彼氏:いえ、そういうわけでは

斎藤:またまたぁ

彼氏:じゃあ、お仕事頑張ってください

斎藤:あ、あの!

彼氏:はい

斎藤:その...お仕事手伝ってくれたら...一緒に行きますよ?(上目遣い)

彼氏:...いや、結構です

斎藤:遠慮しなくても~

彼氏、足早に退場

斎藤:けち...............てか、もしかして鳴子さん仕事さぼって温泉いってるんじゃないでしょうね...ずるい.........えーっと?(スマホで検索)わ、いいとこじゃん。え~~~ずる~~~~い、私も行きた~~~~~い.........しょうがない、行くか!!!

斎藤、意気揚々とはける

仕事は残っている

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